これはそのとおりでした。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 建物 自宅部分 | 約4,600万円 |
| 建物 賃貸部分 | 約5,900万円 |
| 工事関係費ほか小計(税込) | 約1億3,300万円 |
| 諸費用 | 約460万円 |
| 事業予算 合計 | 約1億3,800万円 |
建物代が自宅と賃貸で分かれます。自宅部分だけなら4,600万円。貸室3戸を足すために、建物だけで5,900万円が乗りました。
「初期費用が高い」と言われているのは、要するにこの5,900万円のことです。
そして諸費用の中身も普通の家とは変わります。うちは460万円のうち140万円が工事中金利でした。まだ引き渡されていない建物への利息です。ここは前の記事に書いたので繰り返しません。銀行からのローン無しで建てる場合は不要です。
「自宅が狭くなった」という後悔をよく見かけます。私の場合、狭くなったのは自宅ではありませんでした。
| 用途 | 間取り | 専有面積 |
|---|---|---|
| 自宅 | 3LDK | 97.34㎡ |
| 貸室① | 1LDK | 50.42㎡ |
| 貸室② | 2LDK | 66.81㎡ |
| 貸室③ | 3LDK | 91.25㎡ |
敷地437.31㎡に容積率80%がかかるので、建てられる延床の上限は349.85㎡。実際に建てたのが339.57㎡です。
ここから自宅の97.34㎡を引くと242.23㎡。ただしこの中には階段や廊下が入ります。貸室の専有面積になったのは208.48㎡で、差の33.75㎡が共用部分です。
自宅を小さくすれば4戸入る計算でしたが、そうしていません。理由は前の記事に書きました。
制限は確かにありました。ただ効いてきたのは、自宅の広さより貸室の戸数です。
私が読み直していちばん長く止まったのは、ここです。
管理は一括借上にしました。一括借上とは、ハウスメーカーに貸すことで、たとえ入居がなくとも賃料をもらえます。代わりに賃料の10%は手数料として支払います(借上料率90%)。
この事業計画は、入居率100%で組まれています。一括借上なので、そうなります。
そのかわり、募集賃料が5年ごとに下がる想定が入っていました。
| 年 | 賃料収入(年額・借上90%後) | 1年目比 |
|---|---|---|
| 1〜14年目 | 434万円 | 100% |
| 15〜19年目 | 425万円 | 98% |
| 20〜24年目 | 417万円 | 96% |
| 25〜29年目 | 408万円 | 94% |
| 30年目〜 | 399万円 | 92% |
35年目の賃料は1年目の92%。年35万円下がります。
この計画に、空室という行はありません。
かわりに借上料を毎年48万円払って、賃料が5年ごとに下がる形で入っています。空室リスクは消えていません。表の別の場所に移してあります。
2%ずつという下げ幅が妥当なのかは、正直まだ判断できません。
ローンが住宅ローンとアパートローンの2本になる話は前の記事に書きました。合わせて月40.6万円です。
ここではその先を書きます。単年収支が35年でどう動くのか。
| 年目 | 単年収支 | 月あたり |
|---|---|---|
| 1年目 | ▲84万円 | 約7.0万円 |
| 6年目 | ▲138万円 | 約11.5万円 |
| 15年目 | ▲97万円 | 約8.0万円 |
| 21年目 | ▲150万円 | 約12.5万円 |
| 31年目 | ▲154万円 | 約12.8万円 |
| 35年目 | ▲113万円 | 約9.4万円 |
| 36年目 | +194万円 | — |
35年間、単年収支はずっとマイナスです。
35年ぶん並ぶと、さすがに重く感じます。
数字が跳ねる年があります。6年目、11年目、16年目、21年目、26年目、31年目。
火災・地震保険料41.2万円が5年ごとに乗る年です。21年目はそこに金利の段階上昇と設備メンテ費の値上がりが重なっています。
36年目に黒字へ変わるのは、返済期間35年のアパートローンが終わるからです。住宅ローンの返済が終わるのは47年目なので、そこからまだ11年続きます。
地味に効いてくるものもありました。設備メンテナンスの費用です。
| 年 | 年額 |
|---|---|
| 1〜10年目 | 12.3万円 |
| 11〜20年目 | 16.5万円 |
| 21年目〜 | 20.6万円 |
建物が古くなるほど上がる前提で組まれています。
なお修繕積立金の行は、どこにもありませんでした。大規模修繕をやるなら、上の表の外側から出すことになります。
「ローンの負担が重い」という指摘は、月々の返済額の話として書かれていることが多いです。私にとって重かったのは、35年ぶん下向きに並んだ列のほうでした。
事業計画に「推定資産評価」という欄がありました。
| 区分 | 評価額 | 根拠 |
|---|---|---|
| 家屋 | 約3,905万円 | 評価額単価115,000円 |
| 土地 | 約4,447万円 | 路線価101,700円/㎡ × 437.31㎡ |
| 合計 | 約8,352万円 |
これと借入残高を並べてみました。
| 年度末 | 借入残高 |
|---|---|
| 1年目 | 約1億3,355万円 |
| 15年目 | 約9,447万円 |
| 19年目 | 約8,140万円 |
| 30年目 | 約3,951万円 |
| 35年目 | 約1,696万円 |
評価額8,352万円を借入残高が下回るのは、19年目でした。
ただし、ここには大きな但し書きが要ります。この評価額は売値ではありません。
路線価も固定資産税評価額も、税金を計算するための物差しです。
同じ土地が、路線価の物差しで4,447万円、相続税路線価の物差しで5,466万円になります。1,000万円の差が出ます。
19年目という数字も、どの単価で計算するかで前後します。
賃貸併用住宅は自宅でもあり収益物件でもあるので、買い手も居住用と投資用に分かれます。どちらの物差しで値がつくのかは、売りに出してみないと分かりません。
| 言われている理由 | 私の場合はどうだったか |
|---|---|
| ① 初期費用が高い | そのとおり。賃貸部分の建物だけで5,900万円 |
| ② 自宅の設計が制限される | 自宅は97.34㎡取れた。効いたのは貸室の戸数 |
| ③ 入居者の確保が難しい | 入居率100%前提。かわりに賃料が5年ごとに下がる想定 |
| ④ ローンの負担が重い | そのとおり。単年収支は35年間ずっとマイナス |
| ⑤ 売却しにくい | 借入が評価額を下回るのは19年目。ただし評価額は売値ではない |
5つのうち、はっきり「そのとおり」と言えたのは①と④でした。②と③は指摘の方向こそ合っていましたが、出てくる形が違いました。⑤は確かめきれていません。
この記事に書いた数字は、どれも契約前に渡された書類に載っていました。私が読めていなかっただけです。
単年収支の表は60年目まで続きます。35年ぶんだけ見ても、プラスの行は1つもありません。
それを見たうえで建てた理由は別の記事に書きました。なぜいちばん高い積水ハウスにしたのかはこちらです。
まだ最初の1年も終わっていません。36年目にこの表をどう思っているかは、そのとき書きます。