賃貸併用住宅を建てた記録
福岡市南区・自宅+貸室3戸
賃貸併用住宅

【賃貸併用住宅】積水ハウスで建てた費用をそのまま公開します

2026年8月29日 福岡市南区 自宅3LDK+貸室3戸 軽量鉄骨造2階建
賃貸併用住宅を建てました。自宅が1戸、貸室が3戸。福岡市南区、軽量鉄骨造の2階建てです。
総事業費は約1億3,800万円で、そのうち1億3,600万円が借入。自己資金は160万円しか入れていません。
そして毎月、約7万円の持ち出しになります。

検討していたとき、私がいちばん知りたかったのはこれでした。結局いくらかかって、毎月いくら払うことになるのか。
なのに、どこにも書いていませんでした。だから全部書きます。
目次
  1. 132坪あって、4戸しか入らなかった
  2. 結論から(支払総額)
  3. ローンは2本になる
  4. 満室でも、40万円は入ってこない
  5. 毎月7万円の持ち出し(年間)
  6. それでも建てた理由
大前提① 土地取得費は0円で計算しています
② 金額は主要項目を100万円単位、300万円未満の項目を10万円単位に丸めています
③ 賃料は事業計画時点の想定で、実際の成約賃料ではありません

132坪あって、4戸しか入らなかった

まずは、今回の賃貸併用住宅の建物情報と立地情報です。

項目内容
所在福岡市南区
敷地面積437.31㎡(132.3坪)
用途地域第1種低層住居専用地域
建ぺい率 / 容積率50% / 80%
最高高さ制限10m
構造・階数軽量鉄骨造 2階建 1棟
延床面積339.57㎡(102.7坪)
構成自宅1戸+貸室3戸+駐車場4台

もともと実家が立っていたとに建てました。
132坪あったので、数字だけ聞くと、もっと入る気がしていました。
しかし実際に入ったのは4戸です。自宅部分をもう少し削れば5戸入れることも可能でした。しかし自宅部分を狭くして公開したくないという思いから、4戸にしました。

用途間取り専有面積
自宅3LDK97.34㎡
貸室①1LDK50.42㎡
貸室②2LDK66.81㎡
貸室③3LDK91.25㎡

効いたのは容積率80%でした。132坪(437.31㎡)×80%=105坪(349.85㎡)。これが建てられる延床の上限で、実際に建てたのが339.57㎡。上限の97%まで使い切っています。

先に自宅部分面積を97㎡としました。すると賃貸部分に回せるのは208㎡しか残りません。繰り返しになりますが、もう少し自宅部分の面積を小さくすれば、貸室4部屋の貸し出しも可能でした。しかしこれから長く住む家、お金のために自分の家を犠牲にするのだけはしたくありませんでした。

3LDKで91㎡という大きな貸室が入っているのは、戸数を増やせない代わりに、1戸を大きくし、賃料アップする狙いです。

結論から(支払総額)

まず総額から。ここから生の数字をそのまま出します。
もちろんこれはハウスメーカーや設備によって大きく異なるため、参考値として見てください!

項目金額
建物 自宅部分約4,600万円
建物 賃貸部分約5,900万円
外構工事一式1,000万円
解体工事一式約320万円
先行工事一式約240万円
工事関係費 小計(税抜)約1億2,100万円
消費税 10%約1,200万円
工事関係費 小計(税込)約1億3,300万円
土地取得費0円
諸費用約460万円
事業予算 合計約1億3,800万円

建物代が自宅と賃貸で分かれます。ここが普通の家との違いです。自宅4,600万円に対して賃貸5,900万円。この按分が、あとでローンの分け方にも減価償却にも効いてきます。

外構1,000万円は、正直、自分でも大きいと思っています。駐車場4台分の土間と、自宅と賃貸の境界(共用部)の費用が入っているのですが、それにしても大きい。

そして、いちばん見落としていたのが諸費用460万円です。

まず工事中金利というのは、建物ができあがるまでの間、先に実行された融資に利息だけ払う分です。

まだ引き渡されてもいない建物に、140万円払います。

保証料と合わせると、この2つだけで250万円を超えます。
ちなみに工事中金利は自己資金160万円という薄さで組んでいるので、どうしても発生する費用です。仮に融資実行からすぐに返済できる場合は不要です。しかし融資実行のタイミングは着工のタイミング。つまり入居までのライムラグの期間に銀行へ払う利子になります。

ローンは2本になる

調達金額
自己資金(預貯金)約160万円
住宅ローン5,200万円
アパートローン8,400万円
合計(=事業予算)約1億3,800万円

自宅部分は住宅ローン、賃貸部分はアパートローン。借りる先も条件も別になります。

条件住宅ローンアパートローン
借入額5,200万円8,400万円
返済期間47年(564ヶ月)35年(420ヶ月)
返済方法元利均等元利均等
当初金利1.23%2.15%
金利の段階(想定)1.23% → 1.43% → 1.63%2.15% → 2.25% → 2.35%
毎月返済額約12.1万円約28.5万円

金利差は0.92ポイント。返済期間は12年違います。

「賃貸部分はアパートローンになるから金利が高い」というのは分かっていたものの、実際の条件が並んで出てくると印象が違いました。0.92という数字と、47年と35年という期間の差。この2本を同時に背負うことの恐怖感を感じなかったと言えば、嘘になります。
2本合わせて月40.6万円。これが毎月出ていきます。

この金利は銀行の当時の水準での想定です。実際に適用される金利は金融機関でも時期でも審査結果でも変わります。

満室でも、40万円は入ってこない

貸室3戸の想定賃料はこうなっています。もちろんこれは建物のスペックや立地によって異なります。

住戸専有面積想定賃料共益費
1LDK50.42㎡95,000円6,000円
2LDK66.81㎡134,000円6,000円
3LDK91.25㎡173,000円6,000円
満室時 合計208.48㎡402,000円18,000円

満室で402,000円。ただし管理は一括借上で契約しました。
一括借上とは、私たちが直接入居者と賃貸契約を締結するのではなく、積水ハウスにリース契約として貸す形です。
メリット
・仮に入居者が決まらない場合でも必ず月々のリース料(家賃)が入ってきます。
デメリット
・手数料として家賃の5%を積水ハウスに払うことになります。

私たちはメリット・デメリットを天秤にかけて一括借上を選びました。そのため借上料率は90%(必ず払う5%+一括借上5%)です。だから実際に入るのは361,800円。差は月40,200円、年間48万円になります。

収入項目年額内訳
賃料(借上90%後)約434万円402,000円 × 12 × 90%
駐車場約53万円11,000円 × 4台 × 12
共益費約22万円6,000円 × 3戸 × 12
収入合計約509万円

年48万円を管理会社に渡して、空室リスク、入居者対応、維持管理を引き受けてもらっています。これが高いのか安いのか、正直まだ判断できません。数年やってみて、また書きます。

毎月7万円の持ち出し(年間)

区分年額(1年目)
収入合計約509万円
ローン返済(住宅+アパート)約487万円
固定資産税・都市計画税・償却資産税約59万円
共益費・管理委託費・設備費など約46万円
支出合計約593万円
単年収支約▲84万円
月々の持ち出し
約7万円
1年目

年84万円のマイナス。月にすると約7万円です。
これは事業全体の税引前キャッシュフローです。賃貸3戸と駐車場から入る509万円で、賃貸部分のアパートローンだけでなく自宅部分の住宅ローン(年146万円)も含めて全部払い、それでも足りない最終差額が84万円になります。

それでも建てた理由

数字だけ並べると、あまりいい話に見えないかもしれません。1億3,600万円借りて、毎月7万円出ていって、税金と修繕を入れればもっと増えます。

それでも建てた理由は2つです。
**普通に賃貸で暮らすより、はるかに住居費が浮くから**
福岡市南区で「97㎡・3LDK」の新築または築浅のファミリー向け賃貸に住むとなれば、家賃は月15万〜20万円近くかかります。
一方、今回の賃貸併用住宅では、賃貸部分の家賃収入が毎月のローン返済や維持費を強力にバックアップしてくれます。

普通に賃貸を借りて暮らす場合: 毎月15〜20万円がそのまま消えていく(手元に資産は残らない)

今回の賃貸併用住宅の場合: 持ち出しは毎月約7万円のみで、返済が進むほど建物という資産が自分のものになる

毎月7万円の持ち出しで「理想の広さ(97㎡)の新築自宅」に住み続けられ、ローン完済後は家賃収入がそのまま手元に残ることを考えると、住居費の節約・資産形成として非常に合理的な判断だと考えました。進めば資産が残る。そういう計算するとまったく悪くないと判断しました。

**不動産所得の損益通算と「住宅ローン控除」のダブル節税メリット**
もう一つの大きな理由は、会社員(サラリーマン)としての給料に対する節税効果です。賃貸併用住宅ならではの税制上の強みをフル活用できます。

① 不動産所得の「損益通算」による所得税・住民税の還付
賃貸経営では、建物の減価償却費やローンの支払利息(賃貸部分)、固定資産税などを経費として計上できます。
例えば帳簿上で賃貸事業が「赤字」になった場合、その赤字分を会社員の給与所得から差し引く「損益通算」が可能です。そのため、サラリーマンとしての課税所得が下がり、納めすぎた所得税の還付や翌年の住民税減額という形で手元に現金が戻ってきます。

② 自宅部分に対する「住宅ローン控除」の適用
賃貸併用住宅であっても、住宅ローン控除は可能です。
住宅ローンは毎年の住宅ローン年末残高に応じた控除額が所得税・住民税から直接引かれるため、①の損益通算とあわせることで、実質的な毎月の持ち出し額をさらに押し下げることが可能です。

ちなみに、小規模な賃貸併用住宅でありながら、①と②を足すと年間100万円近くの税金が戻ってきます。

もちろんこれは、土地代が0円だったから成立している計算でもあります。土地から買っていたら、同じ判断をしたかどうか分かりません。

ハウスメーカーを5社比較して、なぜいちばん高い積水ハウスにしたのかは別の記事に書きました。

建築費と借入条件は契約時点の金額を丸めたもの、賃料と収支は事業計画時点の想定で、運用実績ではありません。入居状況は執筆時点のもので、今後の稼働を保証するものではありません。物件が特定される情報と、取引先の担当者の個人情報は載せていません。特定の商品や会社を勧めるものでも、投資助言でもありません。同じ条件で同じ結果になる保証もありません。建築・融資・税務の判断は、必ず自分で専門家に確認してください。
書いている人
福岡市南区で賃貸併用住宅(自宅+貸室3戸)を建てて所有している個人です。 建てるまでに調べても出てこなかったこと、実際に動いた金額、あとから気づいたことを記録しています。 物件が特定される情報と、取引先の担当者の個人情報は載せていません。